「ベーゼンドルファーの工場」

早起きしてオニギリを持って、ウィーンから電車で一時間、ウィナーノイシュタットのベーゼンドルファーの工場に行ってきました。

ウィナーノイシュタットはとても素敵な街です。その昔、材木がよく採れた地域だそうです。

この日は午後からウィーンでまたコンサートで弾かなくてはいけなくて、滞在時間1時間弱の超弾丸ツアー。時間が短い中、現地のスタッフさんが大急ぎかつ丁寧に説明してくれました。

 

ガレリーには色んな種類のピアノがたくさん。↓

 

工場内の写真は企業秘密だから撮っちゃダメと言われたのですが、ここならオッケーとのこと。

 

これは木を自然乾燥させてる図。山の高いところで採れた木を持ってきて、約6年自然乾燥をさせて、さらに室内で半年くらい寝かせるそうです。そしてピアノの型にして作るには一台、約1年以上かかるらしい。色んな木材を組み合わせて作る時に、木目の方向も様々に組み合わせて作られているらしいです。あとは秘密。笑

 

 

こちらは、自動演奏機能付きです↓人間より上手いんじゃ..?!。

 

そういえば、ウィーンでとても面白いものを見つけました。

 

ピアノの調律の高さが書いてあります。↓上記はウィーンの調律。443ヘルツ。

日本の調律は441-442が一般的らしく、我が家の調律記録を見てみると現在は442、過去には441の時もありました。

ウィーンの調律の高さは特殊で、443と高いのと、それにプラスして、空気がかなり乾燥してるのと建物の天井が高くて石造りのため、ピアノの音がとても良く飛びます。日本は湿度が高いのと、調律が低いせいで、練習していると音が飛ばなくて、音がピトっとくっついてまとわりつくような感じをおぼえます。何よりヘルツが1も違うと、絶対音感がある人にとっては、かなり低く感じて、頭が混乱しちゃうはずです。

 

昔、私はこの事実を全く知らなくて、留学から帰国した直後にN響を聴きに行ったら、低くて低くて、変だなぁ?!なんでこのオケはこんなに低いのかな、私の耳が変なのかなぁ、と思ってその話を友人にしたら、”えっ!知らないの?ウィーンのトーンはピアノだけじゃなくてオケも全部、高いんだよ!”と言っていて、そこで初めて私の耳がおかしいんじゃなくて、ウィーンのトーンが通常よりもかなり高い事を知ったのでした。

 

その後、大急ぎでウィーンに帰ってきてコンサートで弾いてきました。インペリアルです。